ビットワイズ、ドージコインETFを上場から1年未満で運用終了・閉鎖へ
ビットワイズがドージコインETFを運用終了・閉鎖へ
米国の暗号資産運用会社であるビットワイズ(Bitwise)は2026年9月10日(木曜日)、同社が提供するドージコイン(Dogecoin/DOGE)の現物ETF「BWOW」の運用を終了し、ファンドを清算・閉鎖することを正式に発表した。
このETFは上場から1年足らずという短期間での撤退となり、市場の注目を集めている。同社はNYSE(NYSE Arca:ニューヨーク証券取引所)と緊密に連携し、10月14日(月曜日)をもってBWOWの取引を完全に停止する予定だ。
10月14日に取引終了、保有者への現金分配までの流れ
現在BWOWを保有している投資家は、最終取引日となる10月14日の市場終了時まで、自身の株式を自由に売却することが可能だ。この最終取引セッションが終了した直後から、ビットワイズはファンドの本格的な清算プロセスへと移行する。
具体的なスケジュールとして、翌日の10月15日の取引開始前には新規株式の組成・設定が全面的に停止される。もし投資家が10月14日までに株式を市場で売却せず保有し続けた場合でも、自身で特別な手続きを行う必要はない。10月21日時点におけるNAV(ファンドの純資産価値)を基準として算出された金額が、10月22日付で各株主の口座へ自動的に現金として分配・支払われる仕組みとなっている。
採算性の壁と機関投資家のミームコインに対する警戒感
今回の清算について、ビットワイズ側は「投資家ニーズの変化に対応し、商品ラインナップを最適化するため」と公式に説明している。
しかし、ETF業界の専門家からは、ファンドの採算性や長期的な運営の持続可能性が早期撤退の最大の要因であったとの見方が強まっている。 一般的に、ETFの健全な運営には法令順守のためのコストをはじめ、規制当局への定期的な報告、高額な取引所への上場手数料、適切なマーケティング費用、安全な資産管理=カストディ体制の維持など、多額の固定費用が発生する。これらのランニングコストを手数料収入だけで賄うためには、ファンドの資産規模が最低でも数億ドルレベルに到達する必要があると言われている。
ドージコインに代表されるミームコインは、個人投資家層からは仮想通貨取引所を通じて熱狂的に取引される傾向がある。しかしその反面、ヘッジファンドや登録投資顧問会社などのプロの機関投資家にとっては、ボラティリティ(価格変動)があまりにも激しいため、リスク管理の観点からポートフォリオへの組み入れに非常に消極的だ。
結果として、ファンドの成長に不可欠な大口の資金流入が乏しく、資産規模の拡大が早々に頭打ちになってしまったことが、運用終了の決定打になったと考えられる。
主力暗号資産への資源集中と今後の事業展開
ビットワイズは現在、70本を超える多種多様な投資商品を提供しており、市場環境や需要の変動に合わせて定期的なラインナップのスクラップ・アンド・ビルドを行っている。事実、今年に入ってからもWeb3に特化したETF「BWEB」や、ローテーション戦略を採用した「BTOP」、さらにはイーサリアム(Ethereum/ETH)に連動する一部のオプション・インカム・ファンドなど、パフォーマンスや需要が低迷していた複数の商品を相次いで清算している。
今回のドージコインETFの閉鎖もその一環であり、今後の成長が見込みにくい小規模トークン向けのファンドから撤退することで、浮いた資金や経営資源を再配分する狙いがある。今後は、機関投資家からの圧倒的な資金流入を誇り、市場の需要が極めて高いビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアムといった主要暗号資産関連の主力ファンドへ注力し、競争の激しい暗号資産ETF市場での優位性を確固たるものにしていく構えだ。
なお、ビットワイズのBWOWが市場から姿を消した後も、他社が運用するドージコイン関連のETF商品は引き続き取引可能であり、市場におけるドージコインへの投資機会そのものが完全に失われるわけではない。
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