Visaのステーブルコイン決済額が200億ドル突破:カード取引量は1年で約3倍に急成長
Visaのステーブルコイン決済額が200億ドル突破
暗号資産と既存金融の融合が加速する中、大手決済ブランドVisaのステーブルコイン連動型カード事業が爆発的な拡大を見せ、ステーブルコイン決済取扱高は200億ドル(約3兆円)を突破し、前年比で15倍以上という驚異的な飛躍を遂げた。
現在、世界全体で160を超えるステーブルコイン対応プログラムが運用されており、カード全体の取引規模も1年間で約3倍(約200%増)へと急増。米国のGENIUS法といった法整備の追い風もあり、新興フィンテックやネオバンクだけでなく大手の伝統的金融機関も参入を本格化させている。
拡大する事業環境と運転資金の課題
カードプログラムの急速な普及に伴い、カード発行企業(イシューヤー)の現場では重大な資金調達問題が表面化している。顧客からの支払いに先立って日々の決済義務を履行しなければならない構造上、入出金のタイムラグによる資金の過不足が発生するためだ。
規模が比較的小さい新興プログラムであっても数百万ドル規模の即時資金が必要となるが、従来の担保型融資(ウェアハウス・ファシリティ)は小回りが利かず非効率だった。顧客需要やインフラ自体は強固であるにもかかわらず、日々の運用資金へ円滑にアクセスできない点が企業の急成長を阻む ボトルネックとなっていた。
オンチェーン融資プロトコルとVisaデータの統合
この課題を打開するため、Visaは信用供与プラットフォームCredit Coop(クレジット・クープ)とのパートナーシップを深めている。
Visaが提供する信頼性の高い日次決済データを同プラットフォームのスマートコントラクトSpigot(スピゴット)に直接接続することで、各発行会社が抱える決済売掛金を担保とした「オンチェーン・リボルビング融資」を実現した。
この仕組みにより、貸し手はカード発行会社の正確な純債務額をリアルタイムに把握できるようになり、迅速かつ柔軟な即日融資が可能になる。高度な自動検証プロセスによって貸付リスクが低下したことで、事業者の借入コストは最大30%カットされた。
市場で実証されるオンチェーン決済融資の透明性
オンチェーン融資をいち早く導入したフィンテック企業 Rain (レイン)は、Visaの主要加盟会員として日次決済資金を確保し、2,000回以上のオンチェーン借入を通じて累計約20億ドル(約3,071.8億円)を調達した。同社は7,000回を超える返済を実行しながらもデフォルト率はゼロを維持している。
また、旅行向けカードを展開する Karta(カルタ)も創業期のスケール段階でCredit Coopを活用。同社は2026年6月、Galaxy Ventures(ギャラクシー・ベンチャーズ)が主導するシリーズA(1,500万ドル:約23億円)およびCommunity Investment Management(コミュニティ・インベストメント・マネジメント)による信用供与枠(1億2,500万ドル:約192億円)を合わせ、総額1億4,000万ドル(約215億円)の大型資金調達を成功させている。
Web3金融インフラの未来と市場展望
Credit Coopは2023年以降、累計25億ドル(約3,839億円)、プラットフォーム全体で27億ドル(約4,146.5億円)以上の融資をオンチェーン上で無事故処理してきた。過去6年間で7,000億ドル(約107.5兆円)規模に達したとされる。オンチェーン・レンディング市場において、リアルワールドの決済データとスマートコントラクトを連動させるこの試みは、デジタル資産における融資の透明性を一段高める歴史的な一歩と言える。
Mastercard(マスターカード)やPayPal(ペイパル)、Circle(サークル)などの競合も独自の決済基盤を急速に整えるなか、実稼働データに基づいた高効率な運転資金エコシステムを構築したVisaは、次世代Web3決済インフラの領域で圧倒的な優位性を確立しつつある。
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